今年も終わりまして

仲宗根浩

やっと、寒くなる。風が強いため、気温より体感温度は低い。風はたてつけの悪い窓をゆらす。セーターやマフラーで武装するひともいるが、沖縄にもどって毛糸ものはすべて処分した。そこまでやらなくても過ごせる。ただ暖房が一切ない家の中でも外と同じくらいの厚着になり、布団にもぐる時間も長くなる。

外で転び流血。一月にも同じようなことがあった。今度は記憶がある。触ると血の感触とにおい。家に帰り、鏡を見ると左側のまゆの上が少し傷がある。掌は傷口を触ったため血がついていたので洗い流し、傷口も水で洗い、絆創膏をつけて寝る。朝起きるとと誰もいない。奥さんは学校の用事で出かけている。また寝ると昼過ぎ、奥さんが帰ってくる。絆創膏を見て事情を説明すると冷たい視線が突き刺さる。夜間外出は控える。

選挙の日、子供の小学校では学習発表会、昔でいう学芸会が体育館で行われる。こちらの行事が先に決まっていたので投票会場は小学校の入口ホールになっている。間違えていつものように体育館に投票のために来る人もちらほらいる。会の合間投票してくる。夜、仕事場の休憩中テレビをつけていると、八時にすぐ当確が出た。仕事が終わるまでには全部の結果が出る。選挙をしかけた方がすべての選挙区で負ける。ところが深夜になると比例というやつで復活というものがあり沖縄は立候補したすべての人が議員先生になる。選挙する意味があるんだろうか。みんな当選するといえば平和といや平和だが、選んだほうがばかを見る不思議な仕組である。

去年の十二月に亡くなっ青山純というドラマーを特集する番組が民法のBSで放映という情報を友人が教えてくれ、その仲間内で青山純が参加した音源を集めることに火が点き、各自普段はあまり聴かない歌手やミュージシャンの音源を図書館やセコハンでしこしこと集めている。日本屈指のドラマーであったのでアイドルからアンダーグラウンドなものまで。曲ごと、詳細なクレジットがないものは特徴のあるスネアとキックの音、手癖でどの曲に参加しているか探すという、ご苦労なことをやっている。しかしこうなると自分の耳で手に負えないものも出てくる。そんなことをしていたら大晦日。明日から仕事。